【Q-011】金融機関の送金指示書の記入方法がよくわかりません。どうすればよいでしょうか?
日本の金融機関は銀行ごとに海外送金指示書の書式が違うので一概にはいえませんが、記入項目はおおよそ以下のようになっています。 (1) 受取人名 (5) 口座種類 (2) 受取人住所 (6) 口座番号 (3) 受取銀行 (7) 送金通貨 (4) 支店住所 (8) 備考 ここでは、コルレス銀行を使わない単純な送金(バンクオブハワイ)と、コルレス銀行を経由し最終的な受取人を「Further Credit to」で指定する送金(サンタンデール・プラベートバンキング)の例を示します。 例1 バンクオブハワイ(ワイキキ支店)への送金 (1) 受取人名:Taro Yamada (2) 受取人住所:山田太郎さんの日本の住所 (3) 受取銀行:Bank of Hawaii (SWIFT: BOHIUS77 / ABA:121301028) (4) 支店住所:Waikiki Branch, 2228 Kalakaua Ave, Honolulu, HI 96815 U.S.A. (5) 口座種類:Savings Account(普通)またはCurrent Account(当座) (6) 口座番号:1234567(山田太郎さんの口座番号) (7) 送金通貨:USドル (8) 備考:空欄 例2 サンタンデール・プライベートバンキングへのコルレス経由の米ドル送金 ※旧アビー・インターナショナルは、2011年5月に銀行名(ブランド名)をサンタンデール・プラベートバンキングと改めましたが、口座名(受取人名)等は一切、アビーインターナショナルから変更はありません。下記、アビーナショナルとなっている部分はサンタンデール・プライベートバンキングを指しています。 (1) 受取人名:Abbey National International Limited (SWIFT: ANILJESH) (2) 受取人住所:P.O.Box545, 41 The Parade, St. Helier, Jersey, JE4 8XG, Channel Islands, UK (3) 受取銀行:Deutsche Bank Trust Company Americas (SWIFT: BKTRUS33 /ABA: 021001033) (4) 支店住所:New York Branch, 1 Bankers Trust Plaza, New York, NY 10006 U.S.A. (5) 口座種類:当座 (6) 口座番号:04828083 (7) 送金通貨:USドル (8) 備考:Further Credit to: Taro Yamada/AC#: GB50 ANIL 1651 71** **** ** 例1は、受取銀行欄にSWIFTコードとABAナンバーを記載することを除けば、国内送金の指示と変わりません。 例2の送金指示を見て即座に手続きしてくれるようなら、その銀行員はかなり海外送金に慣れています。 ここでのポイントは、「(1) 受取人名」がアビーナショナル(Abbey National International Limited)、「(3) 受取銀行」がドイチェバンク・アメリカ(Deutsche Bank Trust Company Americas)になることです。したがって「(6) 口座番号」の「04828083」は、ドイチェバンク・アメリカにあるアビーナショナルの米ドル・コルレス口座の番号です。コルレス口座に入金された資金を誰の口座にクレジットするかは、「(8) 備考」欄の「Further Credit to」で指示します(「AC#」はAccount Numberの略です)。 次に、コルレスを経由した送金指示で問題になる点をいくつか見ていきましょう。 この例にあるように、日本の金融機関では、「(1) 受取人名」と「(2) 受取人住所」が一致することが求められます。マネーロンダリング規制で誰に送金したかを確認するのなら「(8) 備考」欄に記載された真の受益者(山田太郎さん)の住所を記載すべきだと思うのですが、なぜかどの金融機関でも受取人(アビーナショナル)の住所を書くように言われます。 「(4)(受取銀行の)支店住所」と「(5) 口座種類」は、実際の送金にはまったく必要のない情報ですが、杓子定規な担当者だと「空欄のままでは受け付けられない」と譲ってくれません。ここで言い争っても時間の無駄なので、あらかじめコルレス銀行の本店住所を調べておくといいでしょう(慣れている担当者だと「New York Branch, New York, U.S.A.」程度の情報で受理してくれます)。「口座種類」は「当座」にしておけばOKです。 「(6) 口座番号」はアビーナショナルのコルレス口座を指示するものですが、最近ではこの口座番号を記載しないことが多くなりました。コルレス送金ではSWIFTコード(ANILJESHTSY)が口座番号を兼ねており、それだけでコルレス銀行(ドイチェバンク・アメリカ)は資金の入金処理を行なうことができるからです。 しかしコルレス送金に慣れていない担当者だと、口座番号を空欄にして送金するということを理解できません。その場合は、「(6) 口座番号」欄にSWIFTコード(ANILJESHTSY)を記載します。それでも手続きしてくれないようなら、違う銀行をあたったほうがいいでしょう。 なお、海外の証券会社に送金する場合は「(8) 備考」欄に証券会社の口座情報を記載することになります(具体的な送金指示は「海外証券会社」【Q-007】参照)。 <最終更新:2012/08/01>
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