小富豪のためのハワイ極楽投資生活・入門


こんなことがハワイでできる

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2)ハワイ州に法人を設立し、法人名義の銀行口座が開設できる

 起業大国アメリカで法人を設立することは実はそれほど難しくありません。もっとも有名なのはニューヨークの南にあるデラウェア州で、コカコーラなどの大企業が同州で法人登記を行なっています。

 デラウェアは州外で得た事業所得への法人住民税(州税)Franchise Tax(フランチャイズ・タックス)を無税化(最低税額30ドル)する“タックスヘイヴン政策”をいち早く導入することで、法人登記を州のビジネスにすることに成功しました。会社法などの法令も充実し、裁判事例を豊富に持っていることもあって、アメリカ全土はもちろん世界各地から多くに起業家がデラウェアを本店登記地として選んでいます。

 またデラウェアでは、1人でも資本金1ドルから株式会社を設立でき、監査役なども不要であるなど、小規模な事業者がローコストで法人を運営できるさまざまな仕組みも整っています。州内の司法書士Registered Agentはホームページを開設して、積極的に顧客開拓に励んでいます(日本からでもインターネットを通じて法人設立が可能です)。

 こうしたデラウェア州の成功を見て、起業を促し雇用を拡大したい州はこぞって無税化政策に追随しました。観光業に大きく依存するハワイ州もそのひとつで、新しい産業を育てるために、簡単かつローコストに法人設立できるようになっています。

 ところで、アメリカ国内に法人を設立するのは、なにもアメリカでビジネスを始めたい人ばかりではありません。資本金1ドルで設立したアメリカ法人を日本国内で支店登記すると、アメリカに本社のある「株式会社」の日本支社として営業活動を行なったり、日本国内の金融機関に法人名義の口座を開設することが可能になります。

 商法改正で日本でも資本金1円の株式会社が条件付きで認められるようになりましたが、それ以前は「株式会社」を名乗るのに1,000万円以上の資本金が必要でしたから、こうした「裏口」からの株式会社設立が一部で流行したのです。

 単にアメリカ国内にペーパーカンパニーをつくるだけならどの州でも構わないのですが、ここでもハワイでしかできないことがあります。それが、法人名義の銀行口座の開設です。

 9.11同時多発テロ後、アメリカ国内に存在するペーパーカンパニーの銀行口座がテロ資金の温床として問題になりました。現在ではほとんどの銀行が、アメリカ非居住者によるペーパーカンパニーの口座開設を受け付けていません。しかしハワイ州の銀行だけは、仮に非居住者のペーパーカンパニーであっても、日本人の設立した法人であれば口座開設を受け付けてくれます。

■アメリカの銀行に法人口座を開設するメリット■

 アメリカの銀行に法人名義の銀行口座を開設すると、以下のようなメリットが生まれます。

1)法人小切手が発行されるので、ドル建ての決済が非常に便利になる。決済のたびに日本から海外送金すると、為替手数料や送金手数料が大きなコスト要因となるが、小切手であれば必要な経費は郵送料だけなので、小規模事業者から中小企業まで、ドル建てで商品やサービスを購入する場合は大幅なコスト削減が実現できる。

2)法人名義のVISAカード(デビット)が発行されるので、米ドル建て経費のカード決済が可能になる。

3)ハワイ州に法人登記し、決済用の銀行口座を持つと、証券会社や投信会社に法人口座を開設し、法人名義で投資を行なうことができる。

4)ハワイ州で不動産を購入する際、法人名義で不動産登記するのも有効な方法。相続手続きが株式交換だけで完了するほか、投資用不動産の場合、経費や各種控除で節税することも可能になる。ハワイ州だけでなく、アメリカのどの州でも、法人名義で不動産を保有することができる。

 ハワイ州に法人を設立しても、アメリカ国内で収入が発生しない場合は、連邦税・州税ともに法人所得税を支払う必要はありません。したがって米国法人を決済用にのみ使っている場合は、簡単な決算申告と更新手数料Annual Fee(25ドル)だけで法人を維持することができます。

 投資所得・事業所得を問わず、アメリカ国内で収入が発生する場合は、アメリカでの申告納税が必要になります。アメリカ法人はタックスヘイヴン対策税制の適応外なので、仮に株主が日本居住者であっても、法人の海外所得を国内所得と合算する必要はありません。

 日本法人の支店登記をハワイ州で行なうことはできないので、ハワイで設立した法人を、日本側での決算の際に連結することになります。


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