小富豪のためのハワイ極楽投資生活・入門


ハワイに関する10の誤解

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7)ハワイに住んでいれば簡単に永住権が取得できる

 私たちが面倒なビザの申請なしにハワイを訪れることができるのは、日米間のビザ免除プログラムによって、90日以内の観光・商用目的の滞在にビザが不要とされているからです。しかしそれを超えて滞在する場合は、アメリカ大使館や入国管理局にビザを申請しなければなりません(このビザ免除プログラムで滞在できるのは通算で年間180日以内なので、入国と出国を繰り返しても、1年に半年以上アメリカ国内に滞在する場合はビザが必要になります)。

 アメリカのビザ制度は複雑ですが、一般的に利用されるのは商用・観光ビザ(Bビザ)、学生ビザ(Fビザ、Mビザ)、労働ビザ(H−1ビザ)、駐在員ビザ(Lビザ)、投資家ビザ(Eビザ)などです。

 このなかでもっとも取得が容易なのが学生ビザで、米国土安全保障省(9.11テロ後に新設された、アメリカをテロ攻撃から守るための専門官庁)が認可した学校から「I−20」と呼ばれる留学資格証明書(入学許可証)を発行してもらえば、学習に必要な期間を上限にFビザ(大学等)、Mビザ(専門学校等)が発給されます。ただし同時多発テロの実行犯が学生ビザを利用してアメリカに入国・滞在していたことから最近は発給条件が厳しくなっており、成績や授業への出席率が基準に満たないと滞在資格が取消しになることもあります。

 商用・観光ビザ(Bビザ)は最長6カ月までの滞在が許可され、延長も可能ですが、そう簡単には発給されません。具体的な仕事(ただしアメリカ国内で収入を得ることはできない)があればともかく、学校にも通わず、とくに理由もなくアメリカに滞在したい人というのは移民管理上もっともハイリスクな部類なので、ビザの免除される90日以内の滞在では不都合という、合理的かつ正当な理由を入国管理官に説明する必要があるからです。

 一般に「労働ビザ」と呼ばれているものは雇用主が従業員のために申請するHビザで、これは州の労働局(Department of Labor)の管轄になります。労働局が申請を受理すれば、移民局がビザを発給してくれます。

 投資家ビザ(Eビザ)はアメリカ国内に投資して事業を起こし、雇用に貢献した投資家に与えられるビザです。必要な投資額は30万〜100万ドル(約3,000万〜1億1,000万円)で、州や事業によって異なります。要件を満たせば確実にビザが発給され、事業を継続しているかぎり無期限に延長することができますが、簡単に永住権(グリーンカード)を取得できるわけではありません(ただし、Eビザにはアメリカ国内に居住していなくてもビザを更新できるという特徴があります)。

 ハワイに暮らせさえすれば簡単にグリーンカードを取得できると考えている人がいますが、これは間違いです。グリーンカードとはアメリカ内での無期限の就労許可証なので、滞在中の就労を前提としない学生ビザや観光・商用ビザからの移行は不可能です。労働ビザ(Hビザ)の場合も、グリーンカード取得までにはかなりの期間と、申請のための弁護士費用が必要になります。

 このなかでもっともグリーンカードが取得しやすいのが、日本国内で事業を行なっている人が関連会社を現地に設立し、従業員を雇用する方法です。この場合は駐在員ビザ(Lビザ)で事業が開始できるので、投資家ビザ(Eビザ)のような投資額の縛りはありません。順調に事業をスタートできれば、2年目にグリーンカードの申請が可能になるケースもあるようです。

 日本人がグリーンカードを取得するもっとも一般的な方法はアメリカ人と結婚することで、次はグリーンカードの抽選プログラムに応募することでしょう。ただし、グリーンカードはアメリカ国内に居住することを前提に発行されるので、1年間に1度も入国記録がないと取消の対象になります。日本に住みながら、永住権を維持するために毎年アメリカに行く人もいますが、こうしたケースでは観光ビザで充分と見なされて、やはり数年で取消対象とされるようです。

 グリーンカードを取得してアメリカに住みながら、何かの理由で長期にわったって国外に出なければならない時は、事前に再入国許可を申請することで永住資格を維持することができます。

 アメリカでは憲法によって、アメリカ国内で生まれた子どもは両親の国籍にかかわらずアメリカ国籍を取得できると定められています。そこで、ハワイで出産して子どもにアメリカ国籍を与えようとする人も増えてきました。同時に日本でも出生届けを出せば、アメリカと日本のふたつの国籍を持つことができます。

 アメリカでは複数の国籍を持つことができますが、日本は二重国籍を認めていないので、子どもは21歳までにどちらかの国籍を選択しなければなりません。とはいえ、現時点では政府間で国籍に関する情報交換が行なわれているわけではなく、二重国籍のままパスポートを使い分けている人もいます。


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