小富豪のためのハワイ極楽投資生活・入門
ハワイに関する10の誤解
6)足りない生活費はハワイで働けばいい
「アルバイトしながら“楽園”ハワイに住めればどんなにいいだろう」と考える人も少なくありません。これはアメリカ人も同じで、アメリカ本土から仕事や人生に疲れた人たちが続々とハワイにやってきます。
労働人口が溢れているにもかかわらず、ハワイは観光業以外に産業と呼べるものがなく、労働人口の3分の1が物販やレストランを含む観光関係の仕事に従事しています。第2位の産業は米軍基地関係で、これに公務員を加えるとハワイで働く大半の人が当てはまります。この限られた職場に多くの人が殺到するのですから、アメリカ人にとってもハワイでの求職は厳しいものがあります。
それに加えてハワイ州では労働者の権利が強く保護されており、雇用主はフルタイムの労働者のために手厚い社会保険(医療保険)に加入しなくてはなりません。この負担を嫌って、ハワイではフリーター(パートタイム・ワーカー)の比率が非常に高くなっています。「いい波が来た日はレストランからウェイターがいなくなる」とよく言われますが、その背景にはハワイの歪な労働事情があるのです。
本土から夢と希望に溢れて“楽園”にやってくるアメリカ人のうち、約3分の1が1年以内にハワイを離れるという統計があります。その理由の大半が、満足な職がなく、物価が高く、生活水準が大きく下がって耐えられなくなったためです。アメリカ人ですら職探しに苦労しているのですから、たとえパートタイムでも、日本人がハワイで仕事を見つけるのは簡単ではありません。
ハワイで働くためには労働ビザ(H−1ビザ)を取得しなければなりません。ビザは雇用主が申請しますが、その際に「現地の労働者を優先的に雇用すべし」という取決めがあるので、原則として、アメリカ人でもできる仕事に日本人が就くことはできません。その結果、就業可能な仕事は日本料理店や土産物店など、日本人向けのビジネスにほぼ限定されてしまいます。
書店に並ぶハワイ本にはハワイで働く日本人の体験談が載っていますが、サーフショップ、ツアー会社、不動産会社、ウェディング企画、PR誌の編集等々、一見しただけで日本人相手とわかる商売ばかりです。そのうえテロやSARS(サーズ)などの影響で日本人観光客が減ると店の採算は赤字になりますから、何の保護もないフリーターはすぐに解雇されてしまいます。
職探しが難しいのなら自分で商売を始めればいい、と考える人もいます。もっともアメリカで本格的な事業を始めるつもりなら本土で起業するでしょうから、ハワイでできる商売はやはり日本人相手のものしかありません。けっきょく、ワイキキやその周辺の住宅地・商業地で物販や飲食の店を始めるということになります。
この狭いエリアに店が集中することになるので、競争は年々激しくなるばかりです。地元の人によれば、「ハワイでビジネスを始めようとした日本人の8割近くが、事業に失敗して数年以内に日本に帰っていく」とのことです。