小富豪のためのハワイ極楽投資生活・入門


ハワイに関する10の誤解

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5)ハワイに住むなら不動産を買ったほうが得だ

 アメリカ人にとってもハワイは人気の高い移住先です(そもそも彼らには定住という感覚がなく、仕事や年齢に応じてアメリカ各地を転々とするのがごくふつうのライフスタイルです)。“ハワイ移住ガイド”の類いもたくさん出版されていますが、どれを見ても「Housing(住む)」の項目は「Rent(賃貸)」から話が始まっています。

 それに対して日本で売られているハワイ本は不動産購入の話がほとんどで、賃貸についてはまったく触れられていないか、おまけ程度の扱いにすぎません。なぜなら、どの本も「不動産は所有するもの」という前提に立っているからです。

 ところで、不動産はいついかなる場合でも購入したほうが得なのでしょうか?

 ある意味、別荘は究極の贅沢品です。

 ハワイに別荘を構えている日本人でも、年に3カ月ハワイで過ごせる人はまれでしょう。3カ月というと年間の4分の1ですから、仮にこの人が6,000万円で別荘を買ったとすると、その実際の使用価値は1,500万円しかないことになります(6000万円÷4=1,500万円)。年間に2カ月しか使わないなら使用価値は1,000万円、1カ月なら「500万円の価値しかないものを6,000万円出して買った」という話になります。これは経済合理性から考えると、ずいぶんと損な取引です。

 もちろん、別荘を持つことには経済合理性に還元できないさまざまな付加価値(ステイタスなど)があることは確かです。贅沢とは、損得を離れて、そうした付加価値にお金を支払う余裕のあることを言います。

 ところで書店に並ぶハワイ本には、「ハワイでは別荘を使わない時は賃貸に回せるから、別荘生活と投資を両立できる」などと書いてあります。もしこれが事実なら、これほどおいしい話はありません。これは本当でしょうか。

 あなたがハワイに住むことを計画しているとして、どのような賃貸物件を選ぶでしょう? 「オーナーが利用するから年に何回か出て行ってもらわなければいけない」などという家を選ぶ人はいないでしょう。別荘兼用の物件では、不動産投資にとって必須の安定した借主を確保することができません。短期賃貸では空室リスクが大きく、充分な投資利回りは期待できないのです。

 一方、あなたが1週間程度のバケーションレンタルを考えているとしたら、どういう物件が望ましいでしょうか? どれほどの豪邸でも、管理が悪く、備品も充分に揃っていないとしたら、せっかくの休日が台無しになってしまいます。顧客のクレームは斡旋した不動産業者に向けられますから、業者もそのような物件は紹介しません。

 自分で利用するだけなら多少の不便は我慢すれば済むことです。しかし有料で他人に貸し出すとなると、それなりのコストを支払って物件を最良の状態に維持・管理しておく必要が生じます。結果的に、賃貸で得られる収入は維持・管理のコストをなんとか埋め合わせる程度、というのが現実のようです。

 そもそもバケーションレンタルなどの短期賃貸が発達したのは、管理コストの一部を賄いたいというオーナー側のニーズと、ホテルより安く泊まりたいという利用者側の要望が一致したためです。賃料がホテルやコンドミニアムの宿泊料より高ければ誰も借りてはくれません。賃料を高く設定できないにもかかわらず不動産価格が高騰している以上、高額物件ほど投資利回りは下がります。

 とりあえず海外生活を体験してみるのであれば、わざわざ不動産を購入する必要はありません。1日100〜150ドル程度(約1万〜1万7,000円)、1カ月単位なら1,000〜2,000ドル程度(約11万〜22万円)で2ベッドルームの快適な別荘をレンタルできますから、ホテルに滞在するよりずっと得です。

 アメリカやカナダからは、冬の寒さを避けるため12〜2月をハワイで過ごすリタイアード(年金生活)の人たちがやってきます。彼らは毎年の住処を決めていて、帰る時に翌年の予約をしていきます。

 ハワイのホテルにカマアイナ(現地)レートで泊まれば、宿泊料が5〜7割引になります。海外リゾート交換システムであるRCIを利用すると、ハワイのコンドミニアムに1週間3万円で宿泊できます。短期滞在であれば、私たちが知る限り、これがもっともコストパフォーマンスのよい宿泊手段です。


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