小富豪のためのハワイ極楽投資生活・入門
ハワイに関する10の誤解
4)ハワイの不動産は日本よりも安い
巷に溢れるハワイ本には、「ハワイでは日本よりずっと安くプール付きの豪邸が持てる」というようなことが書いてありますが、残念ながらこれも幻想にすぎません。ハワイの物価を詳細に調べたトニ・ポランシーは不動産についてもその現実を次のように書きます。
「アメリカの平均的な家の値段は12万500ドル(約1,300万円)。それに比べてハワイは34万7,000ドル(約3,800万円)。全米平均のなんと3倍。これだけ出せば、ほかの地区なら豪邸が買える」
ポランシーがこれを書いたのは98年ですが、その後、インターネットバブル崩壊と9.11同時多発テロを受けてFRB(米連邦準備理事会)が急激な利下げに踏み切ったため、株・債券から不動産への資産シフトが発生し、ハワイではこの5年間で不動産価格が大幅に上昇しました。最新の統計では、ホノルルの不動産価格は年率平均10%上昇し、ニューヨーク、ロサンゼルスと並んで、「全米でもっとも不動産市場が加熱した都市」に名を連ねています。
ハワイの不動産価格が高い理由のひとつは、居住可能な土地が限られているためです。ハワイは火山活動で生まれた島であり、人が住めるのは海岸に面したわずかな平地以外にありません。そのうえ別荘地として人気のある乾燥地帯では水の供給が乏しいため、分譲地の開発には莫大な投資が必要となります。
高級別荘地はどこも美しい緑の芝の前庭を持っていますが、芝はそもそも寒冷地の植物であり、亜熱帯のハワイで栽培するためには大量の水を必要とします。
ハワイの不動産業者の広告を見ればすぐにわかりますが、私たちが夢見るような、海に面したプール付きの瀟洒な別荘は100万ドル(約1億1,000万円)以下ではまずありません。ハワイで「豪邸」と呼ばれるのは、日本ではバブル期でもめったに目にすることのなかった1,000万ドル(約11億円)級の物件です。
それに対して日本の別荘地はバブル崩壊後、ピークの3分の1から5分の1程度まで値下がりしており、3,000万円も出せば100平米程度の温泉付きの別荘が購入できます。単に不動産価格だけを比較すれば、日本とハワイの価格差は完全に逆転しています。
もっとも、日本の別荘やリゾートには賃貸市場が存在せず、使われずに放置されている物件が増えて住環境が悪化するなど、さまざまな問題を抱えています。「別荘を購入するならハワイよりも日本のほうが得だ」というわけではありません。