得する生活

How to Live a Profitable Life


[戻る]|[目次]

神は細部に宿り給う

   貨幣経済において、ある貨幣が一点から別の一点に移動するには必ず理由がある。

 貨幣に意思はない。それはたんなる空虚な鏡であり、そこに人間の意志と欲望が映し出されている。

 貨幣の動きを観察することで、資本主義のゲームの仕掛けが見えてくる。それを利用して、最短距離でより多くの貨幣を獲得する行動を「経済合理的」と言う。

 その意味で、経済合理性は現代の普遍的なイデオロギーである。経済合理的な行動は、その定義上、常に得する行動だからだ。よほどの変人を除けば、すべての人は得をすればうれしいし、損すれば悔しいと思う。

 これを否定する思想を、人類はいまだ生み出していない。

  とはいえ、本書は貨幣の形而上学についての書物ではない。

 神は細部に宿り給う。

 あなたの財布の中に入っている一枚のクレジットカードから、不思議の国の旅は始まる。

続きは>>


[戻る]|[Home]|[目次]