小富豪のためのハワイ極楽投資生活・入門
Introduction 道具としてのハワイ
本書はハワイの観光ガイドでも、ハワイ暮らしの体験記でもありません。「南海の楽園」ハワイを金融や不動産投資を含む人生設計の道具として考えてみたらどうだろう、というのが本書の基本的なアイデアです。
借金だらけの財政や破綻寸前の年金制度への不安を背景に、生活コストの安い海外での年金暮らしを勧める本が書店に並んでいます。海外で生活するのは確かに魅力的な人生の選択肢のひとつですが、医療や教育、文化摩擦など、そのために超えなければならないハードルはいくつもあります。
夢の実現を真剣に考えたことのある人なら、誰でも大きな壁の存在を思い知らされたはずです。すべてを捨てて旅に出るバックパッカーとは違って、失うものや守るべきもののある世代には人生を棒にふるほどの大きな賭けはできません。
生活コストを考えれば、タイやマレーシアなど東南アジアの国々は確かに魅力的です。雄大な自然に憧れるならカナダやオーストラリアもいいかもしれません。歴史や文化の香り漂うヨーロッパの都市で暮らしてみたい人もいるでしょう。
「第二の青春」を謳歌する場所としてどこを選ぶかは人それぞれでしょうが、現地に日本人や日系人の広範なネットワークがあり、医療や法律サービスまで日本語で提供されるハワイであれば、はじめての海外生活に伴うリスクを大幅に軽減することができます。実はこれが、ハワイの最大の魅力ではないかと私たちは考えています。
本書ではガイドブックや体験記では触れられることの少ないハワイの金融・法人・不動産について、その仕組みと使い方を実践的に説明しています。アメリカの中でも、私たち日本人にとってハワイ州は特権的な場所なので、基本的な知識とルールを知っていれば、銀行口座を開設し、法人を設立・運営し、不動産を売買することは難しくはありません。
書店に並ぶハワイのガイドブックの多くは、単なるワイキキのショッピング&レストラン案内にすぎません。ホテルに着いたらとりあえずワイキキビーチを覗きに行き、ダイヤモンドヘッドを背景に記念写真を撮り、あとはアラモアナ・ショッピングセンターやデューティフリーショップで買い物しているだけでは“道具としてのハワイ”の魅力を知ることはできないでしょう。
ハワイ暮らしを勧める本もたくさん出ています。リタイア後にハワイに別荘を構え、釣りやゴルフ三昧の生活を実現した、という体験記は確かにハワイの素晴らしさを伝えてはくれますが、資金計画や生活経費など、「理想の生活」の現実的な側面はあまり触れられていません。
人生設計を日本国内だけで完結させず、海外にも視野を広げるのならばそれなりの準備は欠かせません。海外生活のメリットとデメリットをあらかじめ体験したうえで、“夢”の実現に向けて次の一歩を踏み出しても遅くはないでしょう。
ハワイは「もうひとつの人生」を設計するための魅力的な“道具”を提供してくれます。それををどれだけ有効に活用できるかは、あなた次第です。
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