Finding the Golden Feather of Wealth

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制作裏話

●この本ができるまで

 

 2002年のはじめに、幻冬舎の編集者Hさんから、『ゴミ投資家のための人生設計入門』をベースに、これまでのゴミ投資家シリーズの集大成のような本をつくりたい、との依頼がありました。

 実際に制作をはじめたのは5月からで、Introductionにもあるように、日韓ワールドカップの真っ最中でした。

 日本中がチケット問題で大騒ぎしていましたが、実は、その気になれば、観戦チケットは好きなだけ手に入れることができました(さすがに日本戦はちょっと無理でしたが)。

 ワールドカップを観ながら、「なんでこんな簡単なことにみんな気づかないんだろう」と思ったのが、この本のコンセプトになりました。

 最初は「ゴミ投資家」シリーズと同様、「海外投資を楽しむ会・編著」で出版を考えていましたが、執筆者のひとり橘玲氏の金融情報小説『マネーロンダリング』がAmazon.co.jpで初登場8位を記録するなどベストセラーになったため、出版社側から「この本も橘玲の名前で出せないか」との相談があり、現在のような形式になりました。

 

●タイトルについて

 

 最初に私たちが提案したタイトルは

人生を近道できる

黄金の羽根の拾い方

でした。

 今でもこのタイトルが、本書のコンセプトをいちばん正確に伝えているのではないかな、と思っています。

 その後、出版社側から、「人生を近道できる」という表現は「死に急ぐ」ようなネガティブな感じがする、との意見があり、

知的人生設計のすすめ

黄金の羽根の拾い方

に変わりました。

 しかしここでも、「黄金の羽根の拾い方」だけでは何なのかわからない、というもっともな注文がつき、

知的人生設計のすすめ

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方

となりました。

 これで表紙を作成し、印刷直前までいったのですが、幻冬舎の見城社長(編集者としても有名な人)が、

「サブタイトルの方がずっといいじゃないか。タイトルとサブタイトルを入れ替えろ」

と会議で叫び、発売2週間前に、

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方

知的人生設計入門

に決定しました。

 本のタイトルを決めるというのは、大変なことなのです(笑)。

 幻冬舎のみなさん、お疲れ様でした。

 

●デザインについて

 

 帯の文句に、

『金持ち父さん、貧乏父さん』は今すぐ捨ててください!

 と書いてあることもあり、本書を手にとった方は、どことなくロバート・キヨサキの大ベストセラー『金持ち父さん、貧乏父さん』と雰囲気が似ていると感じるかも知れません。

 しかしこれは、真似(?)をしているわけではなく、同じ装丁家の方にデザインをしてもらったためです。

 本書のデザインをお願いした鈴木成一さんは、『金持ち父さん、貧乏父さん』シリーズをはじめとして、数多くのベストセラーを手がけた、日本でもっとも多忙な装丁家です。

 当初から、『金持ち父さん、貧乏父さん』を超える装丁を、という意気込みで、編集のHさんと何度も試行錯誤を繰り返していただきました。

 そのお陰で、素敵な本に仕上がりました。

 ありがとうございます。

PS

 誤解を招くと困るので付け加えておきますが、本文中にもあるように、『金持ち父さん、貧乏父さん』を批判しているわけではありません。

 これはとてもよい本です。

 

●小林よしのりさんの推薦文について

 

 幻冬舎では、本には必ず有名な人の推薦文をつけるというのが原則のようで、『マネーロンダリング』の帯は作家・村上龍さんに書いていただきました。

『マネーロンダリング』の担当編集者だったSさんが、小林よしのりさんの“ひとり雑誌”『わしズム』の副編集長でもある(「シギー副編集長」で時々、小林さんのマンガにも登場しています)という縁から、今回、よしりんに推薦文を寄せていただくことになりました。

 橘玲氏は、シギー副編集長の勧めで『わしズム』にも連載を持っています。

 私たちは、よしりんと橘玲では考え方が180度違うのではないかと危惧していましたが、小林編集長(よしりん)は、橘氏の連載をいたく気に入ってくれているとのことです。

 懐の広い人です。

 

●参考文献「Walk on the Wild Side」について

 

 本書の最後にある参考文献一覧にLou Reedの名曲「Walk on the Wild Side(ワイルドサイドを歩け)」が入っています。

 これは、「あとがき」の見出しを「Don't Walk on the Dark Side(ダークサイドを歩くな)」としたことのパロディですが、実はそれだけでなく、本書の裏のコンセプトが「Walk on the Wild Side」だと深読みしてもらえるとうれしいです。


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