ゴミ投資家のための世界の金融商品がわかる本

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デリバティブは簡単で面白い!?

 本屋さんでこの本を手にとって、「デリバティブって興味あるけど、なんか難しそうだなあ。それに、自分にはあんまり関係なさそうだし……」と思案しているあなたに、最初にこの本の結論をお教えしましょう。

  1. デリバティブは簡単だ。
  2. デリバティブはリスクが少ない。
  3. デリバティブは面白い。

「そんなはずないだろう!」と思う人は、騙されたと思って、この本を読んでみてください。「人類が生み出した最高のゲーム」といわれるデリバティブの魅力の一端が、体験できるはずです。

「オレっちにはデリバティブなんかどうでもいい」と思ってる人でも、銀行の定期預金や固定金利の住宅ローンがデリバティブ商品だと聞くとビックリします。本書のSTEP1では、住宅ローンを借りるためには「スワップ」の知識が必要だということを説明します。

 STEP2は「フューチャー」の話です。なぜフューチャーなどという聞き慣れない言葉を使うかというと、これを「先物」と訳したのではあまりにもイメージが悪すぎるからです。しかし株価指数先物を売買するのは、インデックスファンドを購入するのとたいして変わりません。もちろん、個別 株投資よりもずっとリスクは小さくなります。ウソだと思う人は、さっそくこの章から読み始めてください。

 STEP3が、本書のメインディッシュである「オプション」の話です。

  21世紀を生きる賢い投資家にとって、オプションの知識は必要不可欠です。「カバーワラント」「ポケット株」「EB」「株価リンク債」など、いつのまにか私たちの身の周りには、オプションを組み込んだデリバティブ商品が溢れるようになりました。「この見知らぬ 商品はいったいどんな仕組みになっているのか?」「それは果たして投資する価値があるのか?」あなたがデリバティブの基本を理解していなければ、こんな当たり前の疑問に答えることができません。「EBはプットを売っているんだけど、ボラティリティが低いからプレミアムが安くてメリットないよね」

「カバーワラントはATMのプレミアムが高いから、満期日が近づくとタイムディケイで不利になるよ」

 今はまだ、呪文かなにかのように感じるかもしれませんが、本書を一読すれば、この程度の会話は楽勝で理解できるようになります。洒落たバーで女の子を口説くのはムリかもしれませんが、証券会社の窓口で担当者を絶句させるには充分でしょう。それになにより、見かけ倒しのくだらない金融商品にだまされることがなくなります。

 オプションをじょうずに使うと、株価が上がろうが下がろうが、そんなことには関係なく、魔法のように利益を出すことができるようになります。これが実はデリバティブの最大の魅力なのですが、残念なことに「投資後進国」である日本では、このことを知る人はあまり多くありません。

 本書では最後に、インターネットを使って、本場アメリカのデリバティブ市場にアクセスする方法をご紹介しています。リスク、リターン、ゲーム性のどれをとっても、これが現時点で個人投資家に可能な最高レベルのトレードであることは間違いありません。ここまでくれば、そんじょそこらの“自称”投資評論家など足元にも及びません。インターネット革命は、私たちをこんなところまで連れてきてしまったのです。

 もちろん本書は、リスクの大きなトレードを勧めるものではありません。しかし、一介の“ゴミ投資家”にいったいどこまでできるのか、その可能性と限界を知っておくことはけっして無駄 ではないでしょう。

 そしてもしあなたに若干の好奇心と経済的な余裕があれば、ぜひいちどデリバティブ投資を体験してみてください(もちろんリスクを限定して)。きっと、そこに目も眩むような広大な地平が広がっていることが実感できるはずです。


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