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【Q-043】海外旅行の際に日本国内の口座からカードで現地通貨を引き出すことはできますか?
日本の金融機関のATMカードは海外のATMネットワークに対応していないものがほとんどでしたが、最近になって海外対応のカードも増えてきました。代表的なのがシティバンク銀行や新生銀行のATMカードですが、利用金額が1日10万~30万円程度に制限され、さらには利用時に3~5%程度の為替手数料や100~200円の引出手数料が上乗せされるなど、使い勝手はあまりよくありません。 それよりもずっと有利なのが、クレジットカードでの海外キャッシングです。 海外で買い物などにクレジットカードを利用する場合、カード会社は2%程度の手数料を上乗せしています。しかしキャッシングでは、金利を払う代わりに、この為替手数料を不要とするところが大半です(海外キャッシングもショッピングと同様に2%の為替手数料を上乗せするところもあります。また、別途、引出手数料を取るところもあります)。 海外キャッシングの際の為替レートはVISAやMasterCardの基準レートで、1ドル=5~10銭のスプレッドに設定されています。現地のATMで出金手数料が発生する場合もありますが、それを考えても格安レートで日本円を現地通貨に両替できます。 クレジットカードでキャッシングをするとその日から金利が発生しますが、この負担は繰上げ返済で軽減できます。クレジットカードの金利は年利18%程度まで下がっていますから、10万円あたりの返済金額は日割りで約50円。繰上げ返済に必要なデータが日本のカード会社に届くまでに3営業日ほどかかるので、金利コストは最低で10万円あたり150円、約0.15%となります(1ドルあたり約13銭)。 繰上げ返済の際にはカード会社の銀行口座に送金する必要がありますが、一定条件を満たせば国内送金が無料になる金融機関もあります。繰上げ返済を依頼するにはカード会社に電話をかけなくてはならず、以前は海外からの国際電話料金がネックでしたが、これもSkype(スカイプ)やJajah(ジャジャー)などのインターネット電話の登場で解決しました。 クレジットカードによる海外キャッシングは、あらかじめ設定されている利用限度額の範囲で現金を引き出すことができ、いったん繰上げ返済すれば、ふたたび利用限度額までキャッシング可能です(カード会社のなかには、繰上げ返済後の再利用を制限しているところもあります)。キャッシングの3営業日以降にカード会社に電話をして繰上げ返済を依頼し、返済金額を確認したうえで、インターネットでカード会社の口座に振込み指示をする必要がありますが、この手間を惜しまなければ、これが海外旅行でもっとも安いコストで現地通貨に両替する方法でしょう。 海外キャッシングのメリットは、米ドルなど主要通貨はもちろん、バーツ(タイ)、リンギ(マレーシア)、ルピア(インドネシア)、ペソ(フィリピン)などのマイナー通貨や、人民元やベトナムドンなど為替規制のある通貨でも格安の為替手数料で両替できることです。通常の両替方法ではこうした通貨の手数料率はきわめて高いので、その優位性は圧倒的です。世界じゅうどこでも使えるので、次回の海外旅行の際にぜひ試してみてください。 <最終更新:2012/08/01>
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